2012年9月15日土曜日

QE3発動後の投資戦略


やってくれました、FOMC。
今回のQE3の発動についての骨子は「満額回答+アルファ」ととらえられており、ポジティブサプライズとして受け止められております。
事前にかなりQE3を折り込む相場上昇を見せていたものの、「噂で買って、事実で売る」展開となっていないことが、それを表しております。 市場との対話、発表のタイミングも絶妙だったといわざるを得ないでしょう

そもそも今回のFOMCでは、当初QE3の発動は12月のFOMC(オペレーション・ツイスト終了月)においてQE3発表とする予想と、今回のFOMCで発表されるとの予想が拮抗していました。
先週あたりから今回のFOMCQE3の発表がされるという予想が一気に増えてきました。

これまでの量的緩和と異なるところは、MBS(不動産担保証券)の買取についてオープンエンドとしており、
期間についての言及をしなかったことです。簡単に言うと、「雇用が回復して次のバブルが起きるまで徹底的にやり続けるぞ!!」という強いメッセージです。

私自身もここまで強いメッセージが出てくることを予想しておりませんでしたので、投資方針の変更(強気転換)は必要と思っております。

為替は対円を除いてドル売りの流れ。
対円では一時的なドル安(瞬間的に77.13タッチ)はあったものの、介入警戒感からその後小動き。
いわゆるリスクオンの相場では、金利が高い通貨や、投資対象がある(たとえば株が上がりそう)な通貨から、
買い戻される傾向がありますので、リスク回避時には一気に買われる円も今は後回しといったところでしょうか。
全体的な流れとしてはドルの下落圧力はありますが、ユーロについてもECBも同様に緩和方向に動いておりますし、今回のECB、FRBの連携を考えると日銀もなんらかの合意を裏でとっている可能性が高く、そういった意味では極端な円高にはならないと思われます。

なんといっても株、とくに米国株はここからかなりの上昇が期待されると思います。米国株の中でも、普段は優良資産として推奨しているグローバル優良企業の株よりも、出遅れ感のあるセクター、具体的には銀行株の急上昇が期待できるかと思います。MBSの買取りが、メリルリンチを子会社としてして抱えるBank of America / BACCitigroup / Cに対して、かなりポジティブに働きます。
米株全体は底値から見ると既に相当上昇しておりますので、ここからとっていくには抵抗感はありますが、潮目は変わりましたし、出遅れセクターならばいけるのではないかと思っております。

本件関してお客様とコミュニケーションをしたところ、必ず受ける質問は、
「で、この効果はいつまで続くの?株価はどれくらい上がるの?」ということです。マクロ分析をしているのではなく、投資が目的のコミュニケーションなので当たり前ですよね(笑)。
数日の動きだけではなんとも予想はしづらいのですが、ネガティブニュースが出そうなイベントが当面見当たらないこと、無期限買取(雇用が回復するまでやりつづける決意)を表明している以上、
いついつまでしか持たないんじゃないですか」というコメントはしづらいのが本音のところです。

とはいうもののQE1QE2の効果が3ヶ月程度であったことを考慮して、とりあえずは年内まではリスクアセット(とくに株やREIT)は上昇基調を続けると見ております。
流れが大きく変わりそうな展開でございますので、近々にまたマーケット概況をお伝え致します。


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