2012年9月4日火曜日

為替は難しい?

お客様が「為替を予想するのは難しいね」とよくおっしゃいます。
タイトルに「?」をつけてるってことは、そうじゃないですよという話が始まると思われたかもしれませんが、じつは私も難しいと感じます(笑)。

株についてはその投資理論でノーベル賞とった人はいますが、為替でノーベル賞をとった人はいないわけですから、確たる理論が無いというのが実情なのです。

為替を難しくしている一番の理由は何かというと、為替の値には理論的な適正値といえるものがないということです。
これが、株であれば、時価総額が持っている資産と負債の清算価値を下回れば割安だといえますし、将来の予想収益から適正な株価を判断する様々なフォーミュラは一定の説得力を持っております。

そもそも為替は「ある国の株価」ではなく、「二国間の通貨の交換比率」でしかありません。もし仮に、通貨の流通量は国の何か(金本位制だったらゴールドの保有量)の何倍までしか発行しちゃダメですよとか、GDPを基準にどれくらいまでですよ、という国際ルールがあったとして、かつ各国が遵守しているという状況であったとしたら、流通量をベースに交換比率決まってくるみたいなメカニズムを導き出すことができるかもしれません。その場合は為替を「ある国の株価」的な解釈をすることは可能でしょう。

しかしながら現実は、流通量を制限する国際ルールがあるわけでもないですし、仮にあってもルールが遵守されているかどうかはチェックできなません。

おまけに為替の取引量は一日だけで4兆ドル!どんな主体がどんな意志をもって為替取引を行っているのか全貌を把握するのはすごく難しいです。
さらに政府の思惑が金利の調整、資金の供給量、市場介入といった様々な手段で影響を与えてくるので、非常に難しい。

そんなことで、予想が難しい為替相場ではありますが、円の金利はずっと低いままで株の成長力は他国著しく劣後している以上、日本人が資産運用に取り組むには海外の資産クラスへの投資は避けて通れません。がんばって為替と付き合っていかざるを得ない状況です。

購買力平価の理論や、2年金利の金利差、いろんな物差しを使うことで、長期の方向感や足元の動き方には予想(想定)可能なところもあります。このブログではそういった為替との付き合い方についても少しずつお伝えしていきたいと思います。

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